役の行者
舒明天皇、六年正月(西暦634年)御生誕にて、その終る処を知らずとされ、各地の霊場の権威を高められた功績は少なからず、寛政十一年に至り、神変大菩薩という名号を朝廷より賜わつた。役の付者の御遺跡は、全国各地に兒られるが、続日本記、日本国現達喜悪霊異記、三国伝記、木葉衣、踏雲録、大日本史、などの古い文献にも、その御遺跡が見られる。
石鎚山開山の祖にして、修験道の開祖でもある。続日本記には、大和国葛木山にて幼年を過ごされ、孔雀明王を神仰されて、各地の霊山に修業をかさねられ、数々の呪術、験術、を修得せられて、不思議を現されたとある。